「Learning to Go Outside with Sputniko!」

「Learning to Go Outside with Sputniko!」に参加してきました。
本来は外にでてワークショップをするのがメインだったそうですが、当日はあいにくの雨。
なので、屋内でSputniko!ちゃんが作品やその経緯などをレクチャーして、皆が質問するという形式に。

今回の開催するにあたってSputniko!ちゃんを知って、正直、どうしてこれから卒業する学生で、作品数もまだそこまでない若い彼女がNY近代美術館で展示ができてしまうんだろう?という気持ちで挑みました。ですが、レクチャーを聞いてそういった気持ちはさっぱりと無くなりました。
何より、すごいな。と思う事は「私には技術はなにもない。アイデアだけ。」と言い切れる事。
もちろんそれは、ずっとそれまで理系畑でやってきて美術に関する素地が無い。というストレートな自覚でもあるのだけれど
それでもやっぱり自分にできること、できないことをここまではっきりとこの若さで明言できることがまず何より彼女のナイスなところなのだと思います。
ざっくり彼女の作品の作り方を説明すると
「アイデアひらめく」→「外にでてプロフェッショナルに話を訊く」→「デバイス作る」→「同時にそれらを表現できる別メディアで表現できる人をツイッターなどで呼びかける」
といったもの。上記の「生理マシーン、タカシの場合。」などはミュージッククリップの撮影ができるひとをツイッターで呼びかけ、そこで出会った人に撮影、ヘアメイク、スタイリング、照明などをやってもらって作ったそうです。撮影地は東京。撮影初日がもちろん初対面(笑)撮影経費は全部で10万円!音楽はSputniko!ちゃん自作だそうですが、それ以外は彼女曰く「丸投げ状態」。
プロジェクトスタッフをコピペするとこんな感じ。

PROJECT CREDITS
Photography:
Product Design: Naoki Kawamoto
Photography: Rai Royal
Set Design: Sam Frances
Make Up: Hiroe Tomikawa
Music Video:
Music and Lyrics by Sputniko!
Sound Production: DJ Codomo
Video Production: AUG5, Inc.
Director: Yasuhito Tsuge
Producer: Hidetaka Ino
Director of Photography: Takahiro Motonami
Stylist: Shoko Sei
Fashion: galaxxxy, MANIAC WORKS , chimaniamu, Emma Lundgren, Amakiru, Grace Du Prez, Anna Schwamborn,
Hair: Yuki Akagi
Make Up: Kanta Mukasa
Research Guidance: Prof. Jan Brosens, Imperial College London, Department of Medicine
Shoot Location Provided by: Bullet’s Nishiazabu

イチ大学生が作品を作るのにここまでのクレジットが出るというのがすごい。
(現在の大学生の現状はわかりませんが)
関係者の人いわく「わたしできないから誰か助けてー」的ノリで集めてしまうそうです。それでこうなってしまうのが彼女のすごいところです。


私は後の質問タイムで「そういったノリはもともとの性格ですか?それとも自分で編み出したシステムですか?」的なことをきいてみたのですが、彼女の答えとしては「自然とそうなった」そうで。

それを解くカギは彼女がテーマとしている「Critical Design」という考え方。
それは、問題に対して、その答えをデザインするのではなく、問題自体を投げかけるためのデザインをする。ということ。
なので彼女にとっては問題自体を多くの人が知って、それについて議論したり考えたり知ったりしてくれることこそが重要で、表現方法はメインではないということ。